看護師人数の少ない職場~介護施設編~

こんにちは、ハチです。

前回看護師人数の少ない職場の病院編について書かせていただきました。(参照:看護師人数の少ない職場~病院編~
今回は看護師人数の少ない職場の介護施設について、書かせていただきたいと思います。

 

目次

介護施設のいろいろ

介護施設と一括りに言っても、様々な介護施設で看護師の求人が出ています。
その中で求人が多い順に3つの施設に分けてみます。

有料老人ホーム

有料老人ホームは民間企業が運営する施設です。民間企業のため、営利目的の施設となっています。
中で提供されるのも医療そのものではなく、医療サービスです。医師は常駐しておらず、医療従事者は看護師のみの施設と思っていただいて大方間違いはありません。
(中には看護師の常駐もない施設もあります。)

有料老人ホームの看護師配置の目安は、30名の利用者様に対して看護師1名程度です。
有料老人ホームは50床前後のホームが多いので、日勤帯の看護師は2名体制ということですね。
往診日などにより、人数の増減がありますが多くても3名程度。

また常勤1名と非常勤1名というペアのことも多く、リーダーは常に常勤者が対応するため常勤看護師の業務比重が大きいようです。

介護老人保健施設

いわゆる老健施設です。
老健は病院が運営母体になっているケースも多いです。

医師が日勤帯は常駐しており、施設長が医師であるケース多いです。
そのため病院が運営母体になっていることも多いですね。

老健は80~100名定員のところが多いようです。
100名定員はよく見かけますが、医師が常駐しているので介護施設の中では唯一医療行為が可能な施設です。
急性期を脱して、自宅へ戻るまでのリハビリ…という立ち位置が老健になりますが、実際は重症度の高い患者様も多く入居されており、療養病院のような医療依存度の施設も少なくないそうです。

そのため看護師の人数配置は、介護施設でも一番多くなっております。
日勤帯は100名に対して6~8名程度(非常勤含む)。週に2日入浴日があるので、入浴日はプラス1~2名が目安です。
有料老人ホームと比べると、大きな違いがありますよね。

しかし夜間帯は、100名に対して看護師1名となります。(介護が50床に対して2名ずつ入るので、夜勤は5名…と聞けば響きはいいかもしれません。)
100名を看護師1名で看る…と聞くと、結構ギョッとされている看護師さんが多いです。
経験に自信がない方は、あまりお勧めできません。

 

特別養護老人ホーム

いわゆる特養ですね。特養も医師が在籍しておらず、医療従事者は看護師のみです。

入居待ちが全国で問題になっている施設が特養です。
老健のように入居期間に制限がなく、看取りまで行ってもらえるため在宅施設の中でもニーズが高いです。
入居者様の最期まで看取るため、入居者の方の介護度は平均3.5~4と大変高く、自立度も一番低いのです。
医療行為も必要最小限のもので、介護の仕事も増えます。

特養は比較的規模はバラけており、50名程度のところから100名のところまで幅広いです。
80名程度の入居で、日勤帯看護師は3~5名程度(非常勤含む)なので、有料老人ホームよりは多いものの老健よりは少ない…といった感じでしょうか。

3つを比べると一番介護度が重い施設となります。
ただ働き方は日勤のみで夜間帯に医療従事者がいない施設が大半です。そこで看護師はオンコール体制が敷かれている施設が多いのも特徴ですね。

オンコールは急変などで鳴ることも多いですが、実際に夜間帯に駆け付け出勤をしているケースは少ないそうです。お看取りの場合は駆け付け、エンゼルケアをすることになりますが、月1回あるかないか…ということをよく耳にいたします。

働き方を日勤にこだわりたい方にはお勧めの施設です。

 

いかがでしょうか。
特に7:1の病棟で勤めていらっしゃった看護師さんには、おおよそ30:1程度の看護配置の介護施設は信じられないのではないでしょうか?

介護施設=ゆったりしていて楽…と思っている看護師さんも、正直多いですし、実際に気楽に働きたいから介護施設に転職したいという相談も多く寄せられます。
もちろん病院に比べれば時間の流れはゆったりしていますが、看護師1名に対しての業務が多くなることも事実。

ベッドサイドでゆっくり向き合いたいなんて思っていたら、機能別看護に追われて残業でもしないと向き合えないなんて話もザラに聞きます。

介護施設=楽というイメージをお持ちの方は、改めて考え直してみた方が良いかもしれません。
介護施設には介護施設のやりがいがあるので、そういった点を是非魅力に感じて介護施設へ転職いただきたいと思っています。

 

byハチ