給与が高い病院の訳
今自分がもらっている給与は高いのか、安いのか?
転職希望条件を挙げるときに「給与が今よりも高い病院」「給与は高い方がいい」っておっしゃる看護師さん、たくさんおります。
もっとも、給与って待遇面でもことさら重要事項ですから、給与面の希望があるのは当たり前!
しかし、給与が秀でて高い病院ってどんなところがあるのか?
なぜ給与が高いのか?
そのカラクリまで考えてみたことありますか?
給与目安は?
そもそも給与の目安って、どのくらいなのか?
今自分がもらっている給与が当たり前になってくると、今の給与もそう高くないように感じますよね。
私がよく話すのは、働き方で一度冷静に考えてみましょう!ということ。
例えば日勤だけの仕事で500万を希望している看護師さんがいるとします。
これって、皆さんから見たら「普通」ですか?それとも「そんなに高い仕事ないでしょ」と思いますか?
コンサルタントをしていると、色々な仕事を見かけます。
実際日勤のみで年収500万円以上の希望は、非常に給与高めを希望している…と感じます。
看護師さんの夜勤手当は1万5000円程度。(関東圏では)
1万5000円×月4回×1年間=72万円。
夜勤手当の回数を年収から差し引いてみると、いかに夜勤手当が給与に対して大きく占めているか気づきますよね。
もし年収500万で夜勤やっている看護師さんだったら、夜勤手当がなかったら430万程度ということ。
夜勤をなくして、同じくらいの給与所得がもらえる職場を探す大変さを分かっていただけるでしょうか?
もちろん、日勤常勤で年収500万の求人がないか?と言われれば、ゼロではありません。
訪問看護、治験など特殊な求人では叶わない希望ではありません。
給与が高い病院の謎
では…
なぜ給与高めの求人があるのか?
病院で給与高めのところ、いくつか例を挙げてみましょう。
ハード面の投資を抑制
要は病院が古いということ。
電子カルテの導入を見送り、新築移転もせず、送迎バスなどもなく…など、ハード面の投資を抑え、余剰分をスタッフの給与へ還元している病院。
最近病院の立て替えラッシュの流れがありますから、古い病院だと「えっ!?」って思うでしょう。
でもハード面があまり気にならない、今まで働いてきたところがすべて古い…など、ハード面へ投資されていなくても良い看護師さんもいらっしゃいますよね♪
福利厚生が充実していない
寮の運営(借り上げ)、託児所の運営は非常に大きなコストとなります。
例えば託児所の運営は、年間何千万もかかるなんて話も。
それらの福利厚生費を圧縮して、各スタッフへ還元しているということですね。
託児所がいらない、寮はいらない…など福利厚生で必要なものが少ない看護師さんへは、まったく問題なく給与高めを選択できますよね。
新人育成費用がかからない
大学病院、公的病院などは新卒を採用しています。
新人育成って…実は本当にお金がかかるんです。
看護師人数では1名カウントとなりますが、教育担当、勉強会の実施など先輩スタッフの時間を多く割くことになりますね。
新卒の採用を行わず、中途で今までの経験を活かしてもらうのは、実は育成コストがかからないとも言えます。
中途の方で教育を必要としていない看護師さんには、もってこいの職場環境ですね。
退職金がない、税金支払が個人
退職金が含まれている…という点では、すごく魅力的ですね。
看護師さんの平均在籍期間が3~5年ほどと短くなっている一方、退職金は3年以上勤続の方が対象。
3年で退職したら、退職金制度はあってもほとんど退職金がもらえませんよね。
それであれば月給、年収が高い方が看護師さんにとっては魅力ですよね。
ある個人病院などでは、市都民税の支払いが個人で行わなければいけない…病院の事務負担が少ない分、給与が高いなんてこともあるところがありました。
病院の給与が高いところには、訳もしっかりあります。
その訳が、自分にとっては良いのか悪いのか…給与が高いことよりも、ある看護師さんにとっては託児所があることや、寮があることが重要かもしれません。
休日が少なくて給与が高いよりも、休日が多い方が大切な看護師さんもいます。
給与は重要な希望ですが、給与だけにとらわれて他の希望がないがしろにならないような転職活動をしてくださいね。