■生協病院の特徴
「○○生協病院」、こんな名前の病院をときどき目にします。
看護師の転職サポートの仕事をはじめたばかりの私は、うっかり「生協だけに食事とか無農薬だったりするのかしら?」と想像をたくましくしていました。
「生協」は「生活者共同組合」の略。19世紀のイギリスにおいて、「企業が作った商品が高いから、自分たちで作ったほうが良くないか?」ということで、労働者がお互いに資金を出し合い、世界初の生協であるロッチデール先駆者協同組合を設立しました。
日本でも戦後、さまざまな生協が設立され、医療分野では「日本医療福祉生活協同組合連合会」を中心に78病院・350診療所を運営しています。
そして、通称「民医連」と呼ばれる団体にも加入をしています。民医連は共産党の支持母体として有名なので、働くことを検討している看護師の方は、その点を頭に入れておく必要があります。
■生協病院で働く特徴メリット
1、福利厚生が手厚い
もともと労働者のために設立された組織だけあって、そこで働く職員にも優しいのが生協病院の特徴です。残業時間も少ない病院が多く、産休・育休からの復帰率が高い病院が大半です。訪問したことのある病院では、平均在籍年数が10年を超える病院が大半なことからも、「働きやすい病院」ということがうかがえます。
2、地域に指示される「平等」な病院です!
生協病院は「平等」を大切にしており、個室寮や差額ベッドのない病院がほとんどです。一般の病院にとって、差額ベッドはいわゆる「儲けのでる場所」なのですが、生協病院は「労働者みなのもの」なので、そういった設備は備えていません。
他にも、無料低額診療を行っているケースも多く、「貧しいから病院に行かない患者さんを少しでも減らしたい」という高い志を持って地域に貢献しています。
3、安定した経営基盤なので、安心♪
生協病院が属する「民医連」は、日本の一大医療グループです。その職員数は「日赤」「厚連」「済生会」といった医療グループを上回る73,000人を誇ります。圧倒的な規模と、高い志に支えられた地域に密着した医療・介護サービスにより、安定した経営基盤を築いています。
病院であっても倒産する現在においては、「長く安心して働く」という観点から考えると、抜群の安心感のあるグループです。
■生協病院で働く特徴デメリット
1、いわゆる「共産党系」です・・・
民医連は共産党の支持母体です。病院によっては、入口付近に「憲法9条を守ろう!」「原発反対!」といった「ノボリ」が立っていることが良くあります。良い病院と言えば良い病院なのですが、あまりも「政治色」が強いのは気持ち悪いという看護師さんも多いはず。
入職したのは良いものの、ご友人に伝えたところ、猛反対された看護師さんにもお会いしたことがあります。
「あぁ、共産党系なのね」と周囲から勝手に思われる可能性がありますので、そのあたりを気にされる方には、あまりオススメできません。
2、選挙協力も?
最近はさすがにないとは思いますが、以前は選挙期間中になると名簿を配られ、電話や友人の勧誘をさせられることもあったそうです。応援するのは、もちろん共産党の候補者ですね。
生協系の病院にいらっしゃる方は、徳洲会を「拝金主義だ!」と良く非難するのを耳にしますが、選挙に出る議員をグループを挙げて応援するあたりは似ている点が面白いものですね。
良くも悪くも、日本の病院グループの中でもっとも政治色の強い病院グループだと言えます。このあたりを知らずに、「co-opが安くなるかも♪」と安易な考えで入職しないように気をつけましょう!