年功序列から能力評価の色合いが強くなっており、一般企業では「年齢が上がれば給与も上がる」と言った傾向はどんどん薄れています。
一部の昔ながらの大企業を除けば、うまく転職をしながらキャリアアップし続けている人が、
ビジネスマンでいうと高い給料を得られる傾向にあります。
一方で、看護師さんはどうかと言うと、
「何年目か」が給与を決めるに当たって非常に大きな影響を及ぼす傾向にあります。
ですので、優秀な5年目も、仕事ができない5年目も、基本的には同じ病院であれば同じ給与ということになるでしょう。
ここでは、年次のデータの代わりに年齢ごとの平均給与を見てみましょう。
薬剤師 | 診療放射線技師 | 臨床検査技師 | 栄養士 | 理学 療法士 |
作業 療法士 |
看護師 | 准看護師 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20~24歳 | 0 | 221,728 | 215,760 | 190,997 | 224,156 | 226,511 | 242,970 | 215,085 |
24~28歳 | 256,265 | 243,806 | 232,168 | 204,650 | 240,518 | 238,890 | 264,562 | 220,758 |
28~32歳 | 280,381 | 265,922 | 247,306 | 219,071 | 260,724 | 257,268 | 277,960 | 234,620 |
32~36歳 | 307,188 | 293,972 | 267,246 | 231,623 | 277,143 | 273,320 | 289,788 | 241,354 |
36~40歳 | 331,319 | 318,695 | 281,995 | 249,715 | 299,411 | 287,941 | 302,455 | 247,807 |
40~44歳 | 360,786 | 345,830 | 304,646 | 274,362 | 320,067 | 301,666 | 314,870 | 254,460 |
44~48歳 | 366,247 | 367,874 | 338,288 | 291,786 | 351,832 | 321,107 | 324,668 | 263,663 |
48~52歳 | 383,106 | 413,376 | 358,236 | 332,298 | 389,480 | 336,914 | 336,508 | 272,549 |
52~56歳 | 399,776 | 433,994 | 362,551 | 342,825 | 437,315 | 386,789 | 334,198 | 276,812 |
56歳~ | 403,152 | 442,179 | 400,629 | 323,181 | 414,638 | 422,888 | 334,815 | 287,342 |
(単位:円)
※平成28年人事院データ参照
※「平均給与」は「毎月きまって支給する給与」から、「時間外手当」「通勤手当」を引いた額
ここでは、薬剤師、理学療法士、作業療法士などの代表的な医療職のみと比較していますが、この中では看護師の右肩上がりは角度が小さい、
要するに年齢に伴って上昇する給与の額が小さいと言えるでしょう。これは准看護師でも同様ですね。
やはり看護師や准看護師は女性が多く、結婚を期に辞めてしまう方も多いので、構成に占める若年層の数が多いことが影響しているかもしれません。
年配の看護師さんに回るべきお金を若い人のところに回さざるを得ないということですね。
もう少し詳しくみてみると、看護師さんは24~28歳時点での給与は、
他の医療職と比較してかなり高い水準であることがわかります。
そこからしばらくは高水準が続きますが、40代くらいからは平均もしくは平均以下のレベルになってしまいます。
長いスパンで考えると給料アップがしにくい傾向があるのかもしれませんが、
10年くらい働いてその後は主婦として生きていこうとしている人などには、良い働き方と言えるかもしれませんね。
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