企業立病院がなくなる!?

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病院は大きく分けると、

・大学病院
・公的病院
・民間病院
・個人病院

と、この4種類に分けられます。

新卒看護師さんの多くが大学病院、公的病院や民間病院の中でも大きめの総合病院で新人ライフを送ります。
その後、ライフワークバランスを考えて1ヶ所の病院を退職し、民間病院や個人病院で残業少なめ、給与高めのところに転職される看護師さんも少なくないですよね。

この4種類に分けると、民間病院に部類される「企業立病院」ですが、看護師の皆さんの企業立病院への印象は比較的良いことだと思います。
今回は企業立病院について考えたいと思います。

企業立病院とは?

企業立病院とは民間企業が設置、運営している病院のこと。
多くの民間病院は医療法人に部類されますが、企業立病院は「株式会社」です。

株式会社◯◯病院…って、すごく違和感のある響きでしょ?
医療法人や独立行政法人、◯◯大学付属みたいな名前が多い病院の中にあって、株式会社は異彩を放ちます。
医療業界に馴染みの少ない響きに、株式会社=一流という印象も強いみたいです。

本当に一流病院なのか…?

何をもって一流か…はありますが、企業規模で言えば企業立病院を運営する会社は大企業であることが多いです。企業立病院の職員は、母体の企業の会社員でありますから、世間から見たら大企業の社員ということになります♪

なんともうらやましい★

企業立病院は、元々従業員やその家族の健康管理、福利厚生充実のために設立された背景があります。つまり従業員数も多く、病院運営できる経営基盤の盤石な企業であることが大半でした。

昭和23年までに設立された病院が多いため、老舗企業でもあるわけですね♪

じゃあやっぱり一流企業じゃないか!となります。
が、ここ数年でその企業立病院の神話も崩れつつあります。

企業立病院の事業譲渡

郵便局が国営化されている時代は、逓信病院が郵便局の企業立病院でもあったのです。
しかし民営化とともに、逓信病院は徐々に民間の医療法人へ売却されて、現在は名前を変えて運営されているところが多いです。

かつて勢いのあった自動車業界、電機業界、製鉄業界、電力業界など以前は企業立病院も多くありました。
かつては多かった企業立病院も時代の流れとともに減っていき、現在でも大手と思われる企業立病院はトヨタ記念病院(トヨタ自動車)、NTT東日本関東病院(NTT東日本)などが有名どこでしょうか。
電力業界で一流だった東京電力は、東日本大震災のすぐ後に四谷にあった「東京電力病院」も払い下げられました。一等地にあったので、企業存続の危機に瀕し、いの一番に売り払われてしまいました。

電機業界も売上の低迷とともに日立、東芝などが病院を払い下げております。
記憶に新しいニュースですと、東芝病院がリハビリテーションに強みがある「巨樹の会」へ東芝林間病院の譲渡を決めております。

つまり!!
一流企業でも、本業の経営状態が芳しくなくなると病院事業から撤退するということ。
もちろん企業立病院で勤めていた職員は、そのまま譲渡先の法人に引き継がれることが多いため、ある日急に職を失うことはありません。しかし譲渡後の法人への福利厚生、給与体系へ移行するため、福利厚生は大きくことなります。

企業立病院の運営母体は大企業が多いので、元々は福利厚生はとても充実しています。
労働組合が強いケースが多く、お休みの充実、有給消化率の高さ、利用できる福利厚生が多い、退職金が民間の中でも高め、定期昇給の幅が大きい、賞与が民間病院に比べ多いなどの魅力が多いので確かに魅力です。
しかしいつまでも企業立病院が順調に経営されるとは限りません。あくまで株式会社病院は民間病院なので、企業立病院=一流とも言えないわけです。

しかし企業立病院は一等地にあることも多いので、以前として看護師さんからの人気は高いです。すべての病院が経営の危機というわけではございません。
きちんと経営をしている企業立病院だって、世の中たくさんありますからご安心を。

企業立病院は、一般的に新卒を中心とした採用であることも多く、中途採用はハードルが高いことも。
しっかり面談対策して挑みましょう!

 

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