新卒神話の薄い看護師業界

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2018年4月の新入職予定の皆さん、いらっしゃいますか~?

一般企業は、春先には大企業の内定は終わっていますよね。
看護師の業界は、新卒の採用活動が一般企業に比べると遅いな~っていつも思っています。

多くの看護学生さんは、最終学年の夏休みを使って病院見学や面談に行っているそうですね。
もっともお礼奉公がある方、地元に急性期病院が1ヶ所しかない方…など、選択肢がないという方は、もっと前から「ここにいくぞ」って決めている看護学生さんも多いでしょうね。

看護師も会社員も、誰しもが一生に一度だけあるのが新卒、新人時代の1年間ですよね。
今でこそ一般企業も中途採用も台頭してきましたが、大企業には根強く新卒採用が人事の大半を占めます。
新卒=プロパー社員なんて言うくらい、新卒は大切にされているんですね。

一方、医療業界はどうでしょうか?

最初は総合病院スタート

看護師さんの場合、看護学生の頃にも「新卒のときは急性期病院へ」なんて言われますよね?
学校の先生がそんなこと言うものだから、新卒から3年間は急性期病院で修行するのが当たり前。

石の上にも三年。
3年が経ったら、自分のやりたい道へ進む。
って、そんな認識が若い看護師さんにはとても多いです。

でも考えてみてください。
人生で新人、新卒は1度きりなんです。
つまり新人で何も知らないんです~って言えるのは、一生に1度きりしかないってことです!
それって、とても貴重なことだと思いませんか?
転職した瞬間、看護師経験3年目でも、10年目でも「あなた経験者よね?手取り足取りなんて思わないでね」って目で見られるわけです。

そう思うと、気軽に3年経過したから転職しようなんて思えませんよね??

総合病院(大学病院、公的病院など)は、一般企業で言う大企業みたいなものです。
福利厚生、お休みなども実はしっかりしているんです。
業務の1つ1つをとっても、実はしっかりしているわけです。

でも新卒の頃って、他の人がから聞く話で判断するので隣の芝生は青く見えるわけです。
転職してみると、いかに大きな病院が恵まれていたか気づくわけです。

 

既卒は重宝されないのか

いえいえ、そんなことありません。
しっかりした教育を受け、経験を積んできた看護師さんは、他の病院も重宝されます。

もっとも大きな病院は新卒採用にも力を入れているので、新卒が重宝されます。
しかし看護師は3年で一度キャリアを見直す…これが看護師業界の文化でもあるので、3年でとりあえず退職する看護師も多いですから、新卒採用だけではまかないきれない。
そこで既卒看護師でも、ある程度の年齢までは採用してもらえます。

ただ新卒は独自に育てているので、従順です。
他の病院のやり方が役に立つこともあれば、組織に馴染めないきかっけになってしまう面も多々あります。
既卒の方は新卒の頃みたいに、従順な気持ちをお忘れなく。

新卒を一人前にするには、多大なコストがかかります。
教える人をつける、教える時間を割く、勉強会やオリエンテーションを開催する…などなど。
膨大な時間、つまるコストがかかるんです。
どこの病院でもできることではありません。

巷の9割近い病院は、新卒や経験の浅い看護師さんを育てられるマンパワーや組織力を備えていません
大きな病院できちんとした経験や教育を積んだ方は、中核以下の病院にとっては喉から手が出るほど採用したい人材でもあります。

そう思うと、看護師業界って新卒神話が薄いな~って日頃から思うのです。
でもそれは逆に言えば、中途でも就職先が多い、中途だからこそ重宝されるというもの。

それを逆手にとって「売り手市場だから、看護師が職場を選べる!」と言ったら、それは少々傲慢。
きちんとした経験をどういった組織、環境で活かしたいかを改めて考え、適材適所で個性や能力を活かせる場所を見つけてくださいね。

それが中途採用の幸せな転職だと思います。

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