―逆に面接でのNGポイントはありますか？
片岡さん：そうですね…。看護師としてではなく、社会人として「どうなんだろう」って思うような、一般的な常識が欠如している人はお断りしています。服装の乱れとか、言葉遣いとか、礼儀とか。だらしない印象があると、仕事も同じだろうな、って思ってしまうし、そういう悪い風紀も伝染してしまうので、職場を守るためにもNGにします。
―自分の条件ばかりを並べるような人もNGですか？
片岡さん：いえ、普通の企業ならNGでしょうけど、看護師不足は深刻ですし「3時間でも良いから働いてちょうだい」みたいな病院も多いんですよ。「夜勤はできません」とか「15時までしか働けません」とか、ワガママに思えるような希望でも、意外と通ることが多いので、面接ではきちんと希望を伝えた方が良いと思います。その人が希望する時間帯に働けるよう調整してくれる病院もありますから。要望を言って貰って、長く勤めてくれた方がコチラとしても助かります。
―でも、一人の要望を通してしまうと他のナースから不満が出ませんか？
片岡さん：昔から働いている人たちは、やっぱり「えー」って思うみたいですけど、「この人は、そういう条件で入って来た人だから」と、きちんと説明をして、納得してもらうようにしています。どうしても不公平に感じてしまうんでしょうね。
私も昔から働いている人の一人だから、「準夜をすると具合が悪くなるので、夜勤は深夜だけにして下さい」って、初めて言われた時はビックリしました。そんなことが通るほど、世の中は甘くないでしょう！って。でも、結局は希望を叶えてあげています。辞められるよりは、よっぽどいいな、と(笑)。病院によっては、主任が作るところもありますが、ウチは師長である私がシフト表を作るので、毎月、シフトを作る日が近づくと胃が痛くなります。
―復職を目指している看護師の中には、育児との両立に悩む看護師も多いと思います。
片岡さん：多いですよね。面接でも「子供の急な発熱で休みたい時に、お休みを頂くことはできますか？」とか「土日は子供の学校が休みなので出勤できません」とか「子供がまだ小さいので日勤のみを希望しています」とか、育児との両立を目指したいけれど、まだお子さんに手が掛かって、とても悩んでいる様子の方を頻繁に見ます。
育児への理解や急な欠勤に関しては、病院によって回答は異なるでしょうけど、私は育児と仕事を両立させた経験があるので、その大変さや辛さを知っています。育児期間中は、本当に体力勝負！休みだろうと夜勤明けだろうと眠れないし、熱を出して苦しんでいる子供を残して、他の人の面倒なんて看られないじゃないですか。
私は、親と同居をしていたので、いつも親が助けてくれて、そのおかげで両立できていたと思います。だから、私は休ませるようにしていますね。「何かあった時は、お互い様だから」って。たしかに現場は欠勤が出ると人が少なくなって忙しさは増します。でも、かえって一人一人が気を張るから、チームワークも自然と良くなるんですよ。師長としても、こういう時こそ、チームワークの重要さを理解してもらえるように気を配っています。
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