―ところで、看護師さんは離職率が高いって本当ですか。
片岡さん:どうでしょう?私は他の職業に就いたことがないので比較できませんが、いわゆる終身雇用みたく一つの職場で定年まで迎える人は、たしかに少ないと思います。退職理由は、病院によって傾向があるでしょうけど、ウチでは「自分が描いていた看護と違った」と言って辞める人が多いですね。医療の現場って忙しくて、ゆっくり仕事ができないんですよ。
患者さん13人に対して看護師1人だと、時間を掛けて向き合うことも難しいし。一方、患者さん1に対して看護師1のところが多い緩和病棟では、じっくり患者さんと向き合える環境が整っています。理想の看護を実現するために緩和へ行くことを希望する若い人が多いです。
―最後に転職を考えている看護師の皆さんにメッセージをお願いします。
片岡さん:今の時代って、いろいろな勉強の機会があるじゃないですか。私たちが若い頃より、セミナーや研修の種類も多いし、受講日だって選べる。交通手段や情報収集も含めて、とても便利になっていると思います。そういうチャンスを利用して、多くのことを吸収して欲しいです。
そういう人が職場にいるだけで、現場の士気は高まるし、貴重な経験も共有されるし、全体のレベルアップに繋がります。だから、いろいろなことに興味を持って、率先して学んでいる人は、採用されやすいと思います。もし、仕事を辞めて時間があるのなら、なおさら。その時間を有効に使って欲しいですね。それは必ずしも看護に特化したことじゃなくても良くて、コーチングでも、パソコンでも、語学でも「あ、これいいな」と思ったことがあれば、どんなことでも身に付けて、看護の世界に戻って来て欲しいです。
―本日は、お忙しい中ありがとうございました。
片岡さん:こちらこそ、ありがとうございました。こんな話でいいの?って感じですけど (笑)。
凛としているイメージの強い看護師長さんですが、今回インタビューに応じてくれた片岡さんは、穏やかで柔らかい雰囲気の師長さんでした。現場では、後輩ナースの悩みや愚痴に共感しながら、チームとしての成長に重点を置いているように感じられました。片岡さんが言うように、看護師はどこでも人手不足。育児との両立やブランクからの復職、プライベート時間の確保など、要望を明確に伝えることが理想の職場と巡り合うための条件だと言います。また、スキルや知識は自ら率先して身に付けることが大切だと話してくれました。
片岡さん(仮名:関東在住)
某県にある民間病院の看護師長。
映画鑑賞が趣味で、最近の映画では「この世界の片隅に」がお気に入り。
「何回観ても良い映画。観ていない人は是非観て欲しい!」
好きな食べ物はスパゲッティー。特にトマト味が好き。
東京生まれ東京育ち。都内の大学を卒業後、インターネット広告の会社に入社。
業務では、さまざまなネット広告のチェックを行い、転職サイトの広告チェックにも携わる。
現在は、「看護師転職エース」の運営を行いながら、趣味の海外旅行を楽しんでいる。
「看護師の皆さん!求人探しに時間を費やすくらいなら、何かを学ぶために時間を使った方がイイって、片岡師長も言っていましたよー。求人情報の収集は、看護師専門の転職サイトに丸投げしちゃいましょう!」