独占インタビュー第5弾:看護師長に聞きました!その3

試聴の部屋

「こういう看護師になりたい!」明確な看護師像を持っている人は働き方も全然違うんです。関東在住 某県にある民間病院の看護師長 片岡さん(仮名)へのインタビュー。

『ストレスを感じるのは、患者さんのご家族』

―病院って、人間関係も大変そうですよね。

片岡さん:よく言われますね、それは。一般的な会社でも、立場によって業務や価値観が異なるでしょうけど、病院は役割そのものが異なる職種の人たちで構成されている場所だから、より複雑に感じられるのかもしれません。でも、病院によって悩みの種になる相手は違うかなぁ…。私が働いている病院は、ナース同士の関係が良好で、むしろドクターの世話って言うか「それドクターの仕事じゃないの?」って思うことをナースに振られたりして、それに対する愚痴を聞くことが多いですね。でも、一番大変なのは、患者さんと患者さんのご家族。正直、かなりのストレスになっています。

―え?患者さんだけじゃなくて、ご家族も?

片岡さん:そうですよ。直接ナースまで言ってくれたら良いのに!って思うことでも、いきなり病院長宛で手紙を送る方もいて、そうすると、ものすごく些細な事が、まるで大問題のように膨れちゃって。

例えば、ウチの病院は救急指定じゃないんですけど、一般の人は違いを理解していないから、きちんと説明をしても分かって頂けないことが多々あります。先日も「具合が悪い」って、ご主人に付き添われて患者さんが来たんですけど、「明日も仕事だから、もう帰って」って、ご主人を帰らせようとするんですね。でも、私たちは病棟の仕事もあるから、その患者さんばかりを診るわけにはいかなくて、ご主人に「付き添って頂けますか?」って聞いたら、いきなり「患者の世話をするのは看護師の仕事だろ」って怒鳴られて…。腑に落ちないことは一杯ありますよ。

この手のエピソードって、入院患者さんのご家族でも多くて、お金を払っているのはコチラ、みたいな態度を露骨に出す人が増えている気がします。

『医療がサービス業になりつつあるでしょ』

―それが続くと相当なストレスになりますよね。

片岡さん:もう、医療の現場がサービス業になりつつあるって言うか、至れり尽くせりが当たり前だと思っているんですよ。看護師1に対して入院患者さんも1じゃないのに、そこを分かってくれなくて、どんな時でも、ご自分の家族のことだけを考えて行動して欲しい、みたいな。大切なご家族ですから、気持ちは分かりますけど、一方で、外科の先生が「もう大丈夫だから退院して下さい」って言っても「まだ帰らせません。帰れ帰れって何ですか!」って怒る方もいて。それをドクターに伝えると「いいから早く帰らせて。ここはホテルじゃないんだから」って言うし、完全な板挟みです。

―師長さんは立場的に、上と下から板挟みになることもありますよね?

片岡さん:他の病院の師長さんの中には、上と下に挟まれて大変な方がいるかもしれませんが、私はスタッフが愚痴を言いたくなる気持ちも分かるから、時間が許す限り耳を傾けるようにしています。ただ、宥めたり、慰めたり、励ましたり、それしかできない部分も多くて、根本的な改善には至らないけれど、人って聞いてもらうことで心が落ち着く瞬間ってあるじゃないですか。だから、少しでも疲れた心を受け止めてあげることを意識しています。

あとは、ストレスを感じる原因が患者さんとご家族である一方で、私たちにチカラを与えてくれるのも、患者さんとご家族の言葉です。「この病院で良かった」とか「看護師さんたちのおかげで頑張れました」とか、嬉しい言葉を言って頂くと、大きな励みにもなるし、明日からも頑張ろう!って、前向きな気持ちになれます。

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